経営強化税制E類型|経営規模拡大設備と建物の特別償却
E類型は、売上高100億円を目指す中堅手前の中小企業向けの類型で、設備に加えて建物等も対象になります。要件が多く、60日以内の事後申請の例外も使えないため、計画段階から経済産業局との調整が必要です。
企業と投資計画の要件
- 売上高10億円超90億円未満の法人(個人事業主は対象外)で、売上高100億円超を目指せる基盤があること
- 事前に「100億宣言」を行っていること
- 売上向上の取組と設備投資時期を示すロードマップを作り、年平均10%以上の売上高成長率を目指し、給与等支給額を増加させること
- 認定から2年以内の取得価額合計が、1億円または前事業年度売上高の5%相当額のいずれか高い額以上であること
- 生産性向上設備の導入に伴い建物等の新設・増設をすること
- 確認申請日と経営力向上計画の申請日が同一事業年度であること
出典:中小企業庁「中小企業経営強化税制・金融支援活用の手引き」(令和8年4月1日版)。確認書の発行者は経済産業局です。
措置の内容
| 資産 | 特別償却 | 税額控除 |
|---|---|---|
| 機械装置、工具器具備品、ソフトウエア(特定機械装置等) | 基準取得価額から普通償却限度額を控除した額(即時償却) | 7%(資本金3,000万円以下の法人等は10%) |
| 建物及びその附属設備 | 基準取得価額の15%(特定建物等は25%) | 基準取得価額の1%(特定建物等は2%) |
建物及びその附属設備は一の取得価額1,000万円以上が要件です(国税庁No.5434)。基準取得価額は取得価額ですが、一の生産等設備を構成する特定機械装置等の合計が60億円を超える場合は60億円に按分した額になります。「特定建物等」は、給与支給額増加目標の達成に必要不可欠な建物等で、給与支給額が著しく増加した事業年度に事業の用に供したものをいい、経済産業大臣への報告内容を確認できる書類の添付が必要です。
本稿の計算(仮の数字)
建物2億円(特定建物等に該当しないと仮定)を取得
特別償却を選ぶと2億円×15%=3,000万円を普通償却に上乗せ、税額控除を選ぶと2億円×1%=200万円が計算上の控除額です。税額控除は投資促進税制と合わせて調整前法人税額の20%が上限です。
他制度との関係
- 中小企業庁の投資促進税制ページでは、E類型を使う事業者は、その投資計画の期間中は中小企業投資促進税制を使えないとされています
- 計画認定前に取得して60日以内に申請する例外は、D類型・E類型では使えません
- 認定後に、設備取得後の給与増加割合に関する報告書と実施状況報告が求められます
相談先・申込先の選び方
- 100億宣言と確認書の申請:経済産業局、中小企業庁の案内ページ
- 建物と設備の区分、特定建物等の判定:顧問税理士
- 売上成長と給与増加を含む計画づくり:よろず支援拠点、取引金融機関
- 中小企業庁「中小企業経営強化税制・金融支援活用の手引き」(令和8年4月1日版)
- 国税庁 タックスアンサーNo.5434「中小企業経営強化税制」(令和8年4月1日現在法令等)
- 中小企業庁「中小企業投資促進税制」
- 中小企業庁「経営力向上計画」(中小企業経営強化税制の類型・申請案内)
- よろず支援拠点(中小企業・小規模事業者のための経営相談所)
確認日:2026年10月12日
月額だけでなく、総額と条件も見てみよう。