一括償却資産(20万円未満)と10万円未満の少額資産
「10万円未満」「20万円未満」「40万円未満」は、それぞれ別の規定です。10万円未満と20万円未満は法人税法施行令の規定で、資本金や従業員数の要件がありません。40万円未満は租税特別措置法の中小企業者等向け特例です。
3つの基準の違い
| 区分 | 根拠 | 処理 | 対象者 |
|---|---|---|---|
| 10万円未満(または使用可能期間1年未満) | 法人税法施行令133条 | 事業供用年度に取得価額を損金経理 | 法人全般 |
| 20万円未満(一括償却資産) | 法人税法施行令133条の2 | 取得価額の合計額を3年間で損金算入(各年度は合計額÷36×その事業年度の月数) | 法人全般 |
| 40万円未満(少額減価償却資産の特例) | 租税特別措置法67条の5 | 取得価額を損金経理。年300万円まで | 青色申告の中小企業者等(従業員400人以下等) |
いずれも令和4年4月1日以後に取得等をして貸付け(主要な事業として行うものを除く)の用に供した資産は対象から除かれます(国税庁No.5403、法人税法施行令133条の2)。
一括償却資産の計算
法人税法施行令第133条の2第1項は、損金算入できる限度を「一括償却対象額を三十六で除しこれに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と定めています。事業年度が12か月なら、毎年度1/3ずつになります。
本稿の計算(仮の数字)
12か月決算の法人が、1台18万円のタブレット端末を5台取得
一括償却対象額は18万円×5台=90万円。各年度の損金算入限度は90万円÷36×12=30万円で、3年度にわたって30万円ずつ損金にできます。途中で廃棄・売却した場合の扱いは、税理士に確認してください。
判定は「1単位」で行う
国税庁No.5403は、取得価額は「通常1単位として取引されるその単位ごとに判定」するとし、応接セットは1組、カーテンは1部屋の合計額で判定する例を挙げています。使用可能期間1年未満とは、法定耐用年数ではなく、その業種で一般に消耗性のものと認識され、使用状況等から1年未満と判断されるものを指します。
どれを選ぶかで変わること
- 一括償却資産は、固定資産税の償却資産から除かれる資産として地方税法施行令第49条に挙げられている(法人税法施行令133条の2第1項の適用資産)
- 40万円未満の特例は年300万円の上限があり、対象者要件もある。上限に達した後の資産は一括償却や通常の償却で処理する
- 20万円以上40万円未満の資産は一括償却の対象外。中小企業者等でなければ通常の減価償却になる
40万円未満の特例の詳細は少額減価償却資産の特例、固定資産税は償却資産の申告で扱っています。
相談先・申込先の選び方
- どの処理を選ぶか(翌年度以降の利益見込みや償却資産税を含めた判断):顧問税理士
- 判定単位など一般的な取扱い:国税庁の電話相談センター(0570-00-5901)
- 償却資産申告:設備所在地の市区町村
- e-Gov法令検索「法人税法施行令」(第133条の2 一括償却資産の損金算入)
- 国税庁 タックスアンサーNo.5403「少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 タックスアンサーNo.5408「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(令和8年4月1日現在法令等)
- e-Gov法令検索「地方税法施行令」(第49条 償却資産から除かれる資産)
- 国税庁「税についての相談窓口」
確認日:2026年10月12日
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